オーガニックホワイト

もう10年以上前になりますが、ある広告代理店の仕事で、インテリアの提案をしたことがあります。そのころ組んでいたライター3人のチームで考え、提案したひとつに「オーガニックホワイト」というキーワードがありました。「自然素材を生かした白いインテリア」のつもりだったのですが、代理店のオジサマ達には全く理解されず(笑)、さっさとボツになりました。

以前から「白」に憧れるインテリア好きな人はたくさんいました。でも昔はどちらかというと、無機質な感じの白が多かったような気がします。選択肢も少なかったからでしょう。床は白い合板フローリング、壁はビニールクロス、建具は既製品の白、キッチンは鏡面仕上げのピカピカした白。家電製品も白にこだわり、「何でも白を買えって言うんですよ。性能や機能は関係なしに」と夫さんが不満そうに言ってたりしました。

今は素材の風合いを生かした、ぬくもりのある「白」が人気です。

床や建具は無垢材を白の自然塗料で仕上げて、木目がちょっと透けた感じ。壁はコテで塗った漆喰や珪藻土、腰壁はペンキ塗り。キッチンは白いタイル貼りで、窓にはリネンの手づくりカーテン。まさにオーガニックホワイトの世界です。

(もしかしてオーガニックホワイトという言葉も今やインテリア用語として認知されているのではないかと思って、ネット検索してみましたが、全くヒットしませんでしたが…笑)

いろんな素材を組み合わせた白の空間は、奥行きが感じられて好きです。白+木でひたすらナチュラルにまとめるのもいいし、小物で差し色を入れるのも楽しい。グリーンは必需品と言っていいほど似合います。ピカピカの白の空間は汚れがすごく気になりそうですが、オーガニックホワイトの空間は多少の汚れは受け入れてくれそうな、懐の深い感じがするのも好きです。

soho MUGCUP

住宅ライターが綴る、家のこと、暮らしのこと、書くこと、仕事のこと。。。