無垢材の床が珍しかった時代から

フリーのライターとして仕事を始めてもうすぐ30年になります。その前は広告の制作会社で、コピーライターとして主に照明器具や家具のカタログや情報誌をつくっていました。フリーで仕事をしようと思ったとき、好きだったインテリア雑誌に「編集スタッフ募集」の告知を見つけ、「編集のお手伝いはできませんが、関西で取材があれば行きます」と応募したのです。東京の出版社だったのでダメもとな気持ちでしたが、当時の編集長が関西に出張で来られたときに会ってくださり、小さな記事を1件書かせていただいたことから、今の仕事につながっています。

その雑誌が先日、100号を迎えた「プラスワンリビング」(主婦の友社)。100号というのは「プラスワンリビング」という誌名になってからの号数で、当時は「ふたりの部屋プラスワン」という誌名でした。

まだ無垢材の床が珍しかった時代です。無垢材を使うのは一部の建築家かこだわりの設計事務所に限られ、一般の住宅会社や工務店では「傷がつく」「反る」「隙が空く」などと言われ、採用してもらえないことがほとんどでした。価格も高く、そもそも、無垢材の床にしたいというお施主さんがそんなにいなかったのです。

そんな時代からカントリーインテリアの人気とともに無垢材の床を取り入れるビルダーさんがじわじわ増え、今や無垢材の床を標準仕様にする地元のビルダーさんもたくさん。お施主さんの情報量も増え、お施主さん自身が建てる段階からこだわった家に、次々取材に行くようになりました。

住宅取材を通して見てきた日本の住まいのこと、暮らしのことなど、思いつくままに書き綴ってみようとこのブログを立ち上げました。ふだんの仕事では書けないようなことも書けたらいいなと思っています。


soho MUGCUP

住宅ライターが綴る、家のこと、暮らしのこと、書くこと、仕事のこと。。。